海が目の前のお宅の表札。潮風を受け、美しい緑色に変化している。
初夏の明るい光の中、はっとするような鮮やかな色で輝いて見える躑躅を一枝いただき、細枝の様な掛け花入れに。
斑紫銅の花入れと、江戸時代に寺子屋で使われていた文机。150年以上の年の差だが、まるで旧知の如く。
無事に鋳込みを終え、休息に入る坩堝。静かに冷めて行くのを待つ。
閻魔堂の延命地蔵さま。天明3年に奉納された延命地蔵さまは昭和19年に供出となり、多くの兵士と共に出征され長年空座となった。戦争のない世代をつくる願いを込めて昭和60年初め再び建立された。先代の頃、当工房で制作。
柏崎の浜で製塩業が盛んだった江戸時代。たくさんの塩釜が大久保で生産されていた。
何処か遠くにある幸せより、今、手に触れて感じることのできる幸せ。
庭の石碑。「人生有限築文永存」命が尽きても、築いた文化は残り続ける。
花は優しく強い。先代が遺した唐草細工の鞍香炉も然り。
三代晴雲が制作した柏崎神社本殿の向拝柱の寝巻き。昭和三十一年、柏崎の名士により寄贈。
年明けて、庭で一番に咲くのは白梅。まだ雪の降る中で綻び始め、春に向かっていることを知らせてくれる。大雪で折れた大枝から一枝。
屋号を記した蝋型鋳造製の表札。門柱は、かつて大久保地域でたたら製鉄に使われていた石柱。
蠟型鋳造法では鋳型を焼き、脱蝋と同時に鋳型の焼き締めをする。鋳型の大きさや数に合わせ都度竈を築く。
紫銅焼きの工程。火の中から取り出す変形寸前の絶妙な時を見計らう。焼けた金属の色は沈む太陽の色ととても似ている。
ご結婚祝いの品にお選びいただいた香合。カルデラ湖の碧い水の色の様な錆色。
四代晴雲作 天平式唐草香炉。飾り石は佐渡の赤石と糸魚川の翡翠。昭和56年 皇太子殿下ご夫妻への献上品。
江戸時代の大久保では、多くの梵鐘が生産された。その殆どは、先の大戦で供出の為に喪失している。
想像上の生き物の漠が蓋に鎮座する。四代晴雲作の漠香炉。
晴れの日も雨の日も。暮らしの傍にある思い出の花入れ。
蠟型鋳金蜻蛉蓋置のお歯黒仕上げ。お歯黒とは、和銑(わずく)を長期間漬け込み、鉄錆が溶け出した日本酒のこと。鄙びた趣に仕上げる伝統的着色法。
心落ち着く豊かな時間のお供として、日本酒を愛する方にご愛用いただいている酒器。黒色仕上げとは、乾燥松葉を燃やし、その炎で燻し炭素の皮膜を幾重にも重ね、漆黒の様な黒色に着色したもの。
「自然に咲く姿よりも美しく、気持ちを込めて花を活ける。」ある華道家の方の素敵な言葉。銅鋳物の花入れはイオンの働きで水が長持ちするため、手折って家に迎えた花の持ちも良い。
 
 
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